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鋸山で出会った、静かなる感動

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鋸山
千葉県・房総半島にそびえる「鋸山(のこぎりやま)」に行ってきました。
都心からほんの2時間ほどの距離に、これほどまでに異世界のような景色が広がっているなんて——驚きと感動が入り混じった体験でした。

名前のとおり、山肌が鋸(のこぎり)の歯のようにギザギザと連なる姿は、一見してただならぬ存在感。ロープウェーで一気に山頂付近まで上がると、そこには「地獄のぞき」と呼ばれる断崖絶壁の展望スポットが。足元から遥か下に広がる森と海、そして吹き抜ける風の音が、不思議と心を鎮めてくれました。

特に印象的だったのは、日本一の大きさを誇る「大仏」や、苔むした石段と静寂に包まれた「百尺観音」。自然と人の手が長い時間をかけて融合したこの空間は、どこか神聖で、言葉を失うほどの美しさ。観光というより“対話”に近い時間を過ごしているような感覚でした。
汗ばむような上り坂も、時折現れる木漏れ日と海の気配が励ましてくれて、登山というより小さな冒険のよう。振り返れば、来る前に抱えていた日常の雑音が、まるで削り取られたかのように感じられました。
鋸山は、ただの「映えるスポット」ではありません。
それは、鋸山で出会った、静かなる感動心の輪郭をなぞり直すような時間を与えてくれる、そんな場所でした。
原岡桟橋
鋸山の余韻を胸に、ふと立ち寄ったのが「原岡桟橋」。

南房総の穏やかな海に、ぽつりと伸びる一本の木製の桟橋——そこには、言葉にならない美しさがありました。
まるで時が止まったような風景。
何十年も前から変わらないというその桟橋は、波の音と風に揺られながら、静かに海の向こうを指しています。
コンクリートではなく、あえて木で作られているからこそ生まれる“ぬくもり”と“はかなさ”。
踏み出すたび、ギシギシと木が鳴る音すら、旅人を過去へと誘うようです。

日中の穏やかな光に包まれる原岡桟橋も素敵ですが、やはり一番のおすすめは、夕暮れ時だそうです。
観光地というより、心をそっと預けに行く場所。
原岡桟橋は、何も語らず、ただそこに在り続けることで、訪れる人の心に静かな感動を与えてくれる場所でした。
